川崎市多摩区の建築家、荒木成文です。
先週末、トークイベントも無事終わりました。わざわざ、御足労いただいた方々には心より感謝申し上げます。客観的なご意見も頂き、とても勉強になりました。
ところで、今回の展覧会の副題は、「5組の建築家のととのえ方とその先にあるもの」です。今回の展覧会を通じてそれぞれの建築家が沢山のととのえる話をして来ましたが、「その先にあるもの」について、私の例をここで一度取り上げたいと思います。個人的には、「その先にあるもの」とは、「その先に、どのような雰囲気の空間をつくっていこうとしているか。」なのかなと考えています。それぞれの建築家で大きく違いが出てくる部分かもしれません。
私にとって、色々なことをととのえたその先に目指すものは、一言で言うと、「人間味のある空間」なのかなと感じています。人間がいる暖かみをちゃんと感じられる場所をつくりたいなぁと。人間が一緒に成長していける場所をつくりたいなぁと。人間らしさを感じられる場所をつくりたいなぁと。
そんなことを思っています。
この仕事をしていて一番うれしいのは、竣工したずっと後に、その建物を訪れ、その建物が愛され、使いこなされているところを体験した瞬間です。建物が完成した瞬間より、そのときの方が何十倍も感動します。
建物の先にある、「人との関係をつないでいくこと」を大切にしたいと思っています。
荒木成文/アラキアーキ
(Photo by Niji Photo|「丸い家具の家」)