荒木です。
以下改めて、おでんせの建物コンセプトについて。
★★★
おでんせ中の島は、元気な高齢者10人が共に助け合いながら住まう、終のすみかです。
一般的な高齢者施設とは違い、働く人目線ではなく、徹底的に入居者目線で作られています。まるで「戸建て住宅」のような作り。
木造二階建て。床は天然ひのき材、壁と天井はしっくいです。また家具建具などは可能な限りマツやスギ材を使っています。調湿作用があり、なにより手で触れた感触が柔らかくて、やさしい素材ばかりです。
建物は敷地に対してゆったりと作られています。これもとても珍しいことです。まとまった外部は大きな家庭菜園となり、自分たちで思う存分土をいじり、それを自分たちで料理して食べることもできる。井戸も完備することで、災害時にも対応しています。
具体的には、戸建て住宅のような建物が4つ、分棟のように作られています。そのために、各部屋はどの部屋も必ず2面が外部に面していて、風が気持ち良く抜ける部屋になっています。そしてその開口部の先には、さながら「自分の専用庭」が開けています。
自室は30平米弱のワンルームタイプ。簡単な調理に十分な1.5メートルのキッキン、バリアフリー対応の洗面便所、1.2メートル×1.6メートルの最新ユニットバスが備えられています。あふれてしまう収納物に関しては共有の納戸スペースを用意しています。
一階の南側には共同リビングダイニングキッチン。大きな特注木製サッシが3つ。光と風を最大限に取り込みながら、断熱性能も高く、何時でも気持ちの良い窓辺になります。I型の作業台や、10人以上が座れる大きなオリジナル木製テーブル、ペレットストーブも装備。大切な集いの時間を豊かにしてくれる場所です。また、昼間は入居者やご近所の人を招いて集会やイベントを行うことができる、広くて明るいスペースです。
おでんせ中の島は、個人のプライバシーを保ちながら、適度に街に開かれた理想的な建物となっています。木の香りに包まれながら、何処にいても光と風が抜けていく、居心地のよい空間に設計されています。